『アマヤカシキブ』


何事も経験と言うが、不要な経験もある。

歌詞

首をシールドで括り
体の力を抜いてゆく
音が遠のき薄らぐ
あとは身を委ねるだけ

水の中へ潜ったときと
似たような感覚を得る
小刻みに震える手は
寒さのせいではないだろう

辺りを照らす白い光が
あるということは認知できている
しかしそれを感知できずに
暗闇にいると錯誤する

水の中で線香花火が
ぱちぱち 火花を散らす
次第に火力は上がり
鳴るは轟音 鼓膜が破れるほど

震える手をどうにか制御して
か細い首元へ導く
力を加え 頭を引き抜くと
床の上で 金魚のように跳ねた

左半身が麻痺している
喉は枯渇し 呼吸が痛い
めくるめく四季に訪れる
甘やかしき 儀式の一夜

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