『ビルドアグリィ』


まるで80年代のイギリスのポストロックのようだ(そうなの?)。

歌詞

机の上に整列した
結晶化した情緒は
不自然なほど滑らかな
長方形をしている

窓の外は密室
水槽の中は茜
微かに聞こえる
機械の心音が

形骸化した線を
人差し指でなぞる
こびりついた色を
識別できない

劣化した先端を
無軌道に動かす
街灯の前に立つ
まだ重力はあった

臓物に傅く
事実と虚構
齟齬が生じるのは
慈愛のためだろう

分散的な好意を
再帰的に取得する
群れをなす部位は
概念と化す

共感と肯定を
退ける深層
連鎖的な拒否反応
頬を伝うのか

精巧な意図で
身を隠すのは
流体の翼を
傷つけたくないから

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